ヒゲや体毛は濃くなるのに、なぜ髪だけ薄くなる?男性型脱毛症(AGA)の原因物質“ジヒドロテストロン(DHT)”の働きと、対策になる薬について薬剤師がわかりやすく解説します。
YouTubeやSNSで頻繁に流れてくる脱毛の広告。脱毛サロンに通う男も珍しくない、世は大脱毛時代と言わんばかりです(笑)巷で有名な港区おじさん界隈ではアソコの毛も全剃りしている人が多々いるという都市伝説も耳にしました…
それとは裏腹に「頭の毛まで脱毛されちゃ困る!」という声、よく聞きます。
実はその薄毛、「ジヒドロテストロン(DHT)」という“男性ホルモンの変身形”が深く関係しています。
今回は薬剤師の視点から、
「なぜDHTが髪を抜けさせるのか?」
「どんな対策があるのか?」
をわかりやすくお伝えします!
1. ジヒドロテストロン(DHT)ってなに?
ジヒドロテストロン(DHT)は、男性ホルモン「テストステロン」から変化した物質です。
体内の「5αリダクターゼ」という酵素によって作られます。
このDHT、実はヒゲ・体毛・声変わりなどの“男らしさ”に深く関わる成長には欠かせないホルモンです。
一見すると味方のようですが、「頭髪」に関しては、頭の毛包(もうほう)細胞にダメージを与え、薄毛を進行させてしまうというとんでもない裏の顔を持ってます!
2. DHTが脱毛を起こす理由とは?
髪は「成長期 → 退行期 → 休止期」というサイクルで生え変わります。
このうち、成長期が長いほど、しっかり太い髪になります。
ところが、DHTが毛包のアンドロゲン受容体に結びつくと、
成長期が短縮 → 髪が細く•弱くなる軟毛化(なんもうか)→ 産毛のような髪しか生えなくなる=実質的な脱毛につながるのです。

特にDHTの影響を受けやすいのは、前頭部と頭頂部の毛包。
このため「M字ハゲ」や「てっぺんハゲ」が典型的なパターンになるのです。
3. AGAってどう進む?気づいたときには…
AGAは進行性。
しかも、静かに、じわじわと忍び寄り、虎視眈々とあなたの毛根を狙ってやってきます。
「最近、髪が細くなった気がする」
「地肌の主張が激しい」
「朝起きると枕に抜け毛が…」
こういうの、放っておくと、
気づいたときには「えっ、昔の写真と別人やん…」状態になります。
ハゲでもカッコ良い人はいる!!という声もあります。渡辺謙、ジェイソンステイサム、ベッカム、挙げればキリがないですがみんないずれも頭の眩しさ以上に偉大な功績を残した大スターだからそう言われているのです!
ただハゲてるだけなら眩しいだけの存在になってしまいます…
でも大丈夫。今ならまだ、止められるかも!
4. 対抗策!DHTの働きをブロックする薬たち
このDHTによる悪さを止める手段が存在します。
それが「5αリダクターゼ阻害薬」ってやつ。
代表選手はこの2つ!
◆ フィナステリド(商品名:プロペシアなど)
→ 5αリダクターゼ“2型”をブロック
→ 主に頭頂部・前髪ラインの薄毛対策に使われます
◆ デュタステリド(商品名:ザガーロなど)
→ 1型と2型、両方に効く広域カバー型
→ フィナステリドよりも強力とされてます
どちらも病院で処方される医療用医薬品なので、自己判断で買えません。お薬ナビなどのネットで購入もできるっちゃできますが…そこは自己判断になりますね。
副作用として「性欲の減退」や「勃起機能の低下」などもあるけど、実際は出ない人のほうが多かったりします。
こいつらで抗い、呪われたAGAの連鎖を断ち切りましょう!
別枠としてミノキシジル、カルプロニウムなどの血管を拡張して血流増加→発毛促進してくれる外用の薬もあります。
5. サプリや市販品でDHTを抑えられる?
市販されているサプリや育毛剤にも「DHT抑制」をうたうものがあります。
代表的な成分としては
ノコギリヤシエキス:5αリダクターゼを穏やかに抑える作用があるとされる
カフェイン・リデンシル・キャピキシルなど:育毛成分として注目
他にも亜鉛などは髪の成長に必要な成分を作るのを助ける効果があると言われてます。
ただし、これらは医薬品ほどの明確な効果が証明されていない気休めに近いポジション。
本気で戦うなら、まずは医療用の選択肢を検討するべきです!!
6. まとめ:DHT対策は早めがカギ!
ジヒドロテストロン(DHT)は、男らしさを司る一方で、頭髪にとっては「最大の敵」とも言える裏の顔を持つ存在。
AGAは進行性です。
「気のせいかも」と思っている間にも、DHTはあなたの毛包に忍び寄り着々と攻めています。
だからこそ、対策は早めに。
正しい知識と治療で、「ツヤツヤの髪で眩しい抜けない未来」をつくりましょう!