皆さんは「インフラメイジング」という言葉を聞いたことあるでしょうか??
インフラメイジング=低度で持続的な炎症が、加齢とともに全身で進行する現象
inflammation(炎症)+aging(老化)=inflammaging 炎症と加齢を組み合わせた造語で最近話題となっています。
アンチエイジングに興味のある方は酸化や糖化などはよく耳にしたことあると思います。さらにそれに炎症も老化を進める一つの要因として、 むしろ“根本原因”のひとつ、諸悪の根源として注目されています!!今回はその炎症と老化の関係についてお話していきます!
🔥そもそも炎症とは?
炎症ってケガしたり、細菌が身体に入ってきて腫れたりすること、多くの人が急性の炎症をイメージするかと思いますが、今回老化の原因となるのが慢性的な炎症です。
急性の慢性の全部ひっくるめてざっくり言うと、炎症とは体が”異常”を感知して、それを修復排除しようとする反応のことを言います。
✅代表的な炎症のきっかけ(急性・慢性)
原因カテゴリ | 具体例 |
病原体 | ウイルス、細菌、カビ |
外傷 | 切り傷、打撲、火傷、手術 |
化学物質 | アルコール、薬剤、タバコ、大気汚染 |
自己免疫 | 自分の細胞を敵とみなして攻撃 |
加齢・細胞老化 | ゴミのような”老化細胞”が留まることで 慢性的な刺激に |
病原体や外相などは急性に分類されます。
🧠慢性炎症の本質「スイッチの切れない防御反応」
通常、炎症は”治ったら終わり”のはずですが…
・異物が完全に排除できない
・刺激が慢性的に続く(ストレス・腸内環境・生活習慣)
・加齢により修復能力が落ちる
などの理由で、炎症スイッチが切れず”だらだらON”状態になる。これが慢性炎症(インフラメイジング)です。
🔁インフラメイジングによる老化のメカニズム
なぜ老化するのかを超ざっくりまとめると
①細胞や組織がダメージを受ける。
②免疫細胞が「敵かも!」と判断してサイトカイン(炎症物質)を出す。
③サイトカインが他の免疫細胞を呼び寄せ、炎症が加速
④でも敵(老化細胞やストレス)などは消えない
⑤炎症がだらだら続き、身体の細胞の修復が追いつかない
というような恐ろしい負の無限ループに突入します。
皆さん、日頃のことを思い出してください。紫外線を浴びる、タバコを吸う、職場に嫌な上司がいる、いろんなストレスが体内で活性酸素を生み、細胞・組織やDNAを傷つけます。
すると免疫細胞達が「敵がやってきたぞ!」と判断し、サイトカイン(炎症物質)をバンバン出して攻撃してきます。
そのサイトカインに反応して他の免疫細胞達もその戦いに参戦してきます。
見えない敵に戦場となり、ミサイルばかり飛んできて傷ついた細胞達は修復しようと細胞分裂しますが、ストレスは毎日消えることはありません。暴飲暴食に走り、華金になればアルコールも入ります。この状況が長く続くと細胞分裂による修復が追い付かなくなり、テロメアの損傷やDNAの損傷で老化細胞へと変貌します。
さらにこの老化細胞がやっかいなことに、こいつ自体がサイトカインをまき散らします(笑)さらにプロテアーゼ(コラーゲンを壊す作用)、増殖因子(がん細胞の誘発)などまでまき散らす、特級呪霊クラスの化け物です!こんなやつが身体のあちこちで誕生して、どんどん修復が追いつかず老化が進んでいくというような流れです。
イメージしやすいように一例を出してみました。老化が進むというのは、身体の中で炎症が山火事のようにどんどん広がっていくことがお分かりになったでしょうか😱
🛡インフラメイジングを防ぐには?
どうすれば老いを防ぐことができるんねん、老化細胞を好き勝手させない方法について考えてみましょう。対抗策としては以下の通りです。
・生活習慣の見直しがカギ
①睡眠
睡眠中というのは”抗炎症タイム”というボーナス状態です。寝ている間に副交感神経が優位になり炎症を抑えてくれるホルモン(メラトニン)などが分泌され、さらに細胞修復と免疫の調整が行われます。睡眠が短かったり、質が悪いと炎症が抑えられず翌日に持ち越します。結果寝不足が続くと持ち越しまくったツケが雪だるま方式に大きくなり、老化が進むということです。しっかり寝て、細胞を修復しましょう!
②ストレス
これは言わずもがなですね。身体は極度なストレスを受けると体内で活性酸素が出ます。活性酸素は体内の細胞、DNAなどを傷つけます。ストレスをためない生活、会社でストレスを感じる人は今すぐ辞めましょう!と言いたいところですがなかなか難しいですよね…
③規則正しい食生活
暴飲暴食になると腸内環境の乱れ、AGEs(最終糖化生成物)、脂肪細胞の増加、が起こります。
腸内環境の乱れ
脂っこい物や糖質の高い物、加工食品や人工甘味料などが多く含む食事は腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌の増加につながり、腸内環境を悪化させます。悪玉菌の増加で腸の粘膜が弱り、腸の壁にすき間(リーキーガット)ができます。すると本来であれば吸収されないはずの細菌や毒素等が血中に侵入して、
免疫システム活性化→サイトカイン放出→慢性炎症 このお決まりのパターンです。
AGEs(最終糖化生成物)
糖を多く摂っているとインスリンで処理しきれない糖が血中に残ります。この高血糖状態の血中で余った糖が血中や組織のタンパク質と結びつく糖化をおこし、AGEs(最終糖化生成物)が誕生します。肌の弾力成分コラーゲンもタンパク質ですので、糖化の対象になり結果肌の弾力やハリの低下につながります。しかもAGEsが結合することで細胞の傷や異物と免疫系が判断して
免疫システム活性化→サイトカイン放出→慢性炎症また定番のやつです。
脂肪細胞の増加
内臓脂肪が増えると、脂肪細胞がサイトカインを放出します。なんと脂肪があるだけで炎症が起きやすいということです!太ってるだけで罪というショックすぎる事実です。脂肪細胞かーらーのー
サイトカイン放出→慢性炎症のお約束のパターンです。
・抗炎症作用のある食品、栄養素を摂る
例としてオメガ3、ポリフェノール(レスベラトロール)、緑茶、ターメリック、グルタチオンなどがあります。
ここらへんの深掘りについては、また別の記事でお話しします。
まとめ
インフラメイジングと老化については最近言われるようになってきたことなので、まだまだエビデンスに乏しく、色々な研究も進んでいる段階です。
今回はインフラメイジングとはなんぞや、老化にどう関係があるのか
についてメインに話しました。次はどう対抗すれば良いのかについてお話したいと思います!